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「メトロポリス」
評価:
手塚治虫
バンダイビジュアル
¥ 2,598
(2001-12-07)

JUGEMテーマ:映画
 
りんたろう、大友克洋といえば、真っ先に『幻魔大戦』を思い出す。
「サイコキネシス」という言葉にぼうっとなり、「幻魔」という実体のない悪の概念に戸惑いながら、何かとてつもなく新しいモノに触れた心地がした。

『メトロポリス』の、思わず唸ってしまうほど緻密な背景は、『幻魔大戦』を彷彿とさせるし、未来社会の世界観は、『MEMORIES』を思い出させもし、手塚治虫原作でありながら、りんたろう、大友克洋のアニメとなり得ている。

「科学」を掌中に収めたと有頂天になっている人間の驕りが、「科学」の報復に遭うという、シンプルすぎる主題が、今、わたしの心臓を強く打つ。
わたしには、ティマが「核エネルギー」に思えて仕方なかった。
人間の創り出したプルトニウムは、どれほど有効活用しようとしても制御が利かず、結局本来の目的である「破壊」にしか使い道がなかった、という現実と、ティマ創出の構図は、あまりに似ていないか。

「核エネルギー」を手放す聡明さを、人類は発揮できるだろうか。
内閣不信任決議案で眼の色を変えている議員たち、すなわち、原発利権に群がって醜い欲を曝け出している者たちは、聡明さとかけ離れて見える。

2001年に公開されたこのアニメ映画は、戦後間もなく発表された手塚治虫の漫画『メトロポリス』のストーリーをかなり改変しているそうだが、「人間」と「科学」の共存の難しさを描いている点で、手塚治虫を正しく継承していると思った。
別の言い方をすれば、日本の漫画・アニメは、手塚治虫の創り上げた世界の範疇を一歩も出られていない、ということにならないだろうか。

原作は昭和24年。
高度経済成長はまだ遥か先だった時代から、科学を操ることに失敗する人類を描きつづけてきた手塚治虫。
そこに戦争体験の影響は計り知れない。
手塚治虫が、原子力で動くロボット『鉄腕アトム』を、自ら太陽へ突入させ滅ぼした大きな思想を、我々は受け止めなければならない。
* 16:18 * comments(0) * trackbacks(0) *
「DAICHI MIURA LIVE TOUR 2010~GRAVITY~ 」
JUGEMテーマ:音楽
 
エモーショナルにみなさんと繋がりたい、と、三浦大知さんがMCで言った通り、エモーションのビンビン伝わってくる映像で、涙が込み上げた。
はじめは大知さんの繰り広げるステージクオリティに感動しての涙だったが、このライブDVDの終盤に近づくにつれ、これだけ歌って踊って声量が落ちずダンスのキレも落ちないために、どれほどの努力をしているのだろうと想像して、また泣いた。

赤坂ブリッツでのライブを収録した前DVDに比べ、Zepp Tokyoでのライブ収録は、会場が大きいせいか、音の抜けがよかった。
ステージの広さも、ダンサーたちを含め動き易そうに見えた。
こぢんまりしたライブハウスは、観客はステージを近くに感じられていいけれど、踊って「魅せる」大知さんには、もう少し広めのステージが相応しいと思っていた。
このツアーからだろうか、フルではないけれど、生バンドがついていて、「やっぱり生演奏はいいなあ」と思った。
大知さんの後ろに、ダンサーたちとバンドを配するなら、ステージの広さは確保したいところ。
会場が広くなれば、それなりの演出が必要だと思うけれど、大知さんならできる、と期待している。

何しろ、大知さんの進化が目ざましい。想像以上のものを見せてくれた。
既成のダンスをうまく踊る人はたくさんいるけれど、自分のスタイルを模索し創り上げて見せてくれる人は、そうはいない。
ひと目で「ダイチ・スタイル」とわかる洗練されたキレのある振りつけが、見る者を惹きつけてやまない。

そして、声が魅力的。誠実そうで、甘さもある。
少年時代の伸びやかな高い声を失った代わりに、別のいい声を手に入れたなあ、と思う。
「Flag」の後半でファルセットを使うところがあるが、Folderの「Share Your Love」のときと同じに聞こえ、ちっちゃい大知君を思い出し、ニンマリする。

ところどころなされたCG加工は、決してうるさくなく、映像をいい意味で装飾していたと思う。
ダンスコーナーもカッコよくて、ほれぼれする。
素晴らしい。
今後、どこまで進化するのだろう、と考え出したら、興奮して眠れなくなった。
* 21:14 * comments(0) * trackbacks(0) *
「ヒトラーの贋札」
JUGEMテーマ:映画
 
何気なく観はじめたけれど、テンポのいい運びで、引き込まれた。
ナチスが贋札を製造したことは、聞いたことがあったが、強制収容所のユダヤ人にさせていたのは知らなかった。

収容所の有様は、『シンドラーのリスト』や『戦場のピアニスト』などで、リアルに描かれてきたのと同様の悲惨さ。
人が人でない、およそ命あるものとして扱われない。

だが、この映画は、ナチスの悪行を暴こうとするものでもないし、ナチスの検証を目的としたものでもなく、極限の状況に置かれた人達をありのまま写し撮ったものだと思った。
贋札作りは犯罪に違いないけれど、戦争においては、善悪の尺度が狂ったり、間逆になったりする。
そういう中で、作業を強制された囚人たちは、自らの命と、人間の尊厳とを、天秤にかけなければならなくなる。
狂気の支配する空間で、自分を見失わないことの過酷さよ。

映像はどうしようもなく悲惨なのだけれど、囚人たちの失われない人間性のせいか、不思議と目を背けることもなく、見終えることができた。
* 21:58 * comments(0) * trackbacks(0) *
「天使と悪魔」
評価:
---
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
¥ 740
(2011-02-23)

 JUGEMテーマ:映画

原作があまりにおもしろかったので、少し期待して観たが、残念な仕上がりだった。

まず、画面が語りかけてこない。
ヴァチカンとローマを舞台にするなら、いくらでもただ事でない「感じ」を醸すことができそうなのに、平べったい映像になってしまっていて、がっかり。
また、世界中からヴァチカンに聖職者の集まるコンクラーベのときに、反物質という巨大エネルギーの暴発の起こるかもしれない恐るべき事態なのに、緊迫感が薄すぎる。
原作の途方も無いおもしろさを二三時間の映画にするのは、難しいだろうが、うまい省略をきかせれば、もう少しマシになっただろうに。
せっかくの原作を、もったいないなあ、と思った。

ロバート・ラングドン教授がトム・ハンクスなのも、「ダ・ヴィンチ・コード」のときから合っていない気がして仕方なかった。
もっと若く、繊細な感じの、たとえばエドワード・ノートンのような俳優ならなあ、と思ってしまう。
カメルレンゴ役も、せめて二十代の俳優にやってほしかった。
カメルレンゴには、亡くなった教皇の「告白」を聞き、取り乱してしまうほどの「若さ」が必要だから。
ユアン・マクレガーが二十代のときだったら、文句ないのに。

と思って観ていたら、教皇とカメルレンゴの関係の部分が、原作とは違っていた。
他にも、セルンの責任者、コーラーが出て来ない。
原作と大きく異なるこの二点は、映画化にあたり、アンタッチャブルだったのかも知れないと思った。
西洋における宗教と科学の対立の歴史を背景にした『天使と悪魔』は、カメルレンゴの慕う教皇の過去と、半身不随のコーラーの人生が描かれていたからこそ、深みがあったのだけれど。
政治的に肥大した「キリスト教」と、個人の内にある「信仰」、そして「科学」という事実の三つ巴は、今尚、西洋社会に大きな疑問を投げかけうる題材だと思う。
だからダン・ブラウンはおもしろい。

『天使と悪魔』を堪能するには、小説を読むしかなさそうだ。
* 19:26 * comments(0) * trackbacks(0) *
「幻影師 アイゼンハイム」
JUGEMテーマ:映画
 
恋愛ドラマだった。

十九世紀末のウィーンに現われたイリュージョニスト、アイゼンハイムは、大衆も貴きもとりこにするも、幼い恋の相手だった公爵令嬢に再会し、一世一代のイリュージョンに命を懸ける──。

「イリュージョン」の映画なので、多くを述べない方がいいだろう。

感想は、アイゼンハイム役のエドワード・ノートンが、出てくるどの貴族よりもノーブルだったことに尽きる。
* 19:20 * comments(0) * trackbacks(0) *
「紳士協定」
評価:
---
ファーストトレーディング
¥ 280
(2006-12-14)

JUGEMテーマ:映画
 
アメリカ西部から東部にやって来た記者が、反ユダヤ主義を批判する記事を書くため、しばらくユダヤ人のふりをして暮らす中で、先進的思想の持ち主だと思っていた恋人が、偽善者であり傍観者であることがはっきりしてきて、記者は別れを決意する・・・。


この映画の製作された時代を考慮に入れなければならないにしても、わたしは、よりリアルな記事を書くための記者の思いつきに、終始共感できず、映画に乗れなかった。
時期が来たら足を洗える期間限定のユダヤ人なんて、ユダヤ人の怒りを買うのではないかと思いながら観ていた。

彼の仕上げた「八週間のユダヤ人」という記事は、周囲の人に絶賛されていた。
騙したのか、と、怒った人はいない。が・・・。

記事を書き終わると、ユダヤ人でなかったことを明らかにし、去って行こうとする彼に、ユダヤ人が生涯に亘り受ける差別が、どれだけ身にしみたというのだろう。

彼はユダヤ人ではない。
彼の変えられない出自は、ユダヤ人を差別する側の人間である、ということ。
ユダヤ人でない者が反ユダヤ主義を批判するとき、被差別者の立場になってみることには、どこかしら安易さがつきまとい、偽善に繋がる恐れがあると感じる。
差別者側の立場に己を見出し、その重さを受け止めてこそ、彼にとっては意義のあることではないかと思うのだが。

差別に対し、「声を上げよ」と、言うのはたやすい。
けれど、本当は、彼の恋人が心配したように、保守的な実社会には、数々の障害があるはずだ。
正義への情熱のあまり、何事も体当たりの彼が、そのリスクについて深刻に考えているようには見えなかった。
すべて、彼が本当のユダヤ人ではないからだ、と思えてしまう。


自分が偽善者だったと覚醒する恋人の方が主人公であったなら、もっとリアリティのある映画になったのではないだろうか。
* 21:45 * comments(0) * trackbacks(0) *
「ブルグ劇場」
評価:
---
アイ・ヴィ・シー
¥ 1,108
(2003-08-25)

 JUGEMテーマ:映画

老優が、仕立て屋の若い娘に恋するのは滑稽ではない、と言いたい。

仕立て屋の娘は、老優を眼中に入れていないのだけれど、老優は娘の気立てのよさに惹かれてしまう。
娘が若い俳優にゾッコンだとも知らずに。

老優は恋に眼がくらみ、若い娘に相応の若い恋人がいるとは思い至らない。
俳優として実績も名声もある自信がそうさせるのか、娘に向かってまっすぐの愛情を表現する。
なんとハツラツとした精神を持っている老優であろうか。
ゲーテのようだ。

当然のことながら、老優の恋は実らない。
けれど、老人の若い娘への恋の実らないのは、ほんとうに当然のことだろうか。

多くのフィクションで、老人の若い人への恋は、実ることがない。
フィクションなら、実る恋があってもいいのに。
老人と若い人の恋の実るフィクションのほとんどないのは、たとえ恋が実っても、その先にある「死」による別れまで描かなければならない酷さのせいだろうか。
* 17:29 * comments(0) * trackbacks(0) *
「レッドクリフ Part 供
 JUGEMテーマ:映画

前作を観て、続編は盛り上がるのかと期待していたけれど、そうでもなかった。
大味で、緊張感が薄い。
『三国志』という、せっかくの素材なのに、がっかり。
ジョン・ウーは、ハリウッド的ダイナミックさを身につけているのかも知れないが、わたしは、中国ネイティヴの、例えば「さらば、わが愛/覇王別姫」のような、「菊豆」のような、芸術性も感じさせる映画を求めていたから。

中国経済の隆盛は、かつての日本のバブルを見ているような、それでいて、投機に西走する中国人のお金儲け好きは、日本人の比ではないなあ、と、感じもするが、李白や杜甫を生んだのも中国である。
「さらば、わが愛/覇王別姫」のような、「菊豆」のような映画を創るのも中国、順番を守らないなど、公共マナーが悪いと言われるのも中国。
国土の雄大さそのままに、いろんな中国があるなあ、と、思う。
* 13:53 * comments(0) * trackbacks(0) *
「映画 ハゲタカ」
 JUGEMテーマ:映画

金融界を描いた日本映画の中では、これまで観た中で、最もよくできていたと思う。
それでも、リーマンショック以降、見えに見えてきた現実の経済の狂騒加減が十分描けていたとは思えないが。

いや、日本の経済界なんて、あんな感じで、案外、生ぬるいものかも。
鷲津が「日本を買い叩く」と豪語した頃、確かに日本企業は敵対的買収におののき震えていた。
あの経験が、日本経済にとって荒療治になったか、今や、経済で何が起きても、「想定内」の感がある。
バブル崩壊も経験しているし、よほどのことでない限り、驚かない。

そして、映画というものは、直近の経済状況を写しこもうとしても、撮影を終えて公開するまでのタイムラグによって、どうしても流れの速い現実の経済に遅れをとる結果になってしまう。
おそらく、リーマンショックをふまえて筋書きを組み立てたのだろうが、残念ながら現実世界の過酷さを消化しきれていない風に見えた。


それでも、キャストがよくて、引き込まれた。
テレビシリーズで描かれた、鷲津という人の複雑なキャラクターは、深みがあって魅力的だし、いつも敵対しているかに見える東洋テレビの三島記者と、眼には見えない昔の絆でつながっているのが、大人っぽくて好きだ。
劉一華の男前っぷりも際立っていた。
ホテルのバーラウンジで鷲津と劉が差し向かいで静かな戦いを繰り広げるシーンは、働く男の色気に溢れていて、鼻血が出るかと思った。
こんなドラマがまたあったら、絶対観る。
* 20:28 * comments(0) * trackbacks(0) *
「エリザベス:ゴールデン・エイジ」
 JUGEMテーマ:映画

久しぶりに観た映画。
何を観ても聴いても、眼の前をサラサラ流れていってしまって、ちっとも引っ掛かるもののない近頃、聡明で迫力満点の女王が眼を覚ましてくれるかとの期待があった。

カソリック国とプロテスタント国の対立の厳しい時代、自らの結婚を国際交渉の場での大きなカードとしながら、孤独な女王・エリザベス。
自らの望み如何に係わらず、異性を愛し、愛されることを代償として、彼女は女王である。
おおきな運命の下に、国民を自らの子だと言う女王。
スコットランドのメアリ・スチュワートを死に追いやったエリザベスは、己の行く末を覚悟し、スペインとの戦争に突入してゆく。

史実の裏にある当事者たちの心理や表情を、映像で見せてもらった思いがした。

ケイト・ブランシェットは、文句のない女王っぷりだった。
この人はほんとうに、貞節で上品な妻から、娼婦から、キャサリン・ヘップバーンから、偉大な女王から、ボブ・ディランまで、何をやらせても説得力があり、違和感なくはまる、優れた俳優だ。

リス・エヴァンスも、「ノッティングヒルの恋人」のときとは見違えるような悪役(?)姿を見せていて、よかった。
クライヴ・オーウェンがかすんでしまうほど。
* 10:14 * comments(0) * trackbacks(0) *
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