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「天使と悪魔」
評価:
ダン ブラウン
角川書店
¥ 4,935
(2006-12)

JUGEMテーマ:ミステリ
 
期待どおりの面白さ。
緊迫する場面の連続に、思わず「フギャ」と声を上げながら読んだ。

コンクラーベの最中に、バチカンに「反物質」がしかけられるという事件は、同じ作者の『ダヴィンチ・コード』より大それていて、ドキドキする。
科学と宗教の対立のものものしさは、綿密な細部の描写によってリアリティがある。

博物館で類人猿を眼にし、「こんな下等なものが人類の祖先だなんて、絶対に信じない」と声を上げているカソリックの若い白人女性を、以前見たことがある。
ほかにも、西欧では、学校の授業で「ダーウィンの進化論」の段になると、教室に緊張が走ると聞いた。
「エミリー・ローズ」は、精神的な病と思われる少女を、エクソシズムで回復させようとし、結局少女を助けることのできなかった神父が、法廷で裁かれた、実際のケースの映画化だった。
小説に出てくる事情は、キリスト教社会的であるけれど、問題を理解することは難しくない。

本書は、神とは何か、神を信じるとは何か、信仰とは何かを読むものに考えさせながら、宗教による弾圧に抵抗してきた科学者たちの軌跡を、とびきりの面白さで謎解いてゆく。
「ヴィジュアル愛蔵版」には、科学研究施設やローマの礼拝堂、バチカンの大聖堂など、舞台となる場所や物事のカラー写真が場面場面に豊富に差し込まれてい、ラングドン教授が今どのような状況に面しているか、想像しやすかった。
実在の物事が題材になっているので、ローマにもバチカンにも行ったことのないわたしには、ヴィジュアルは読む上で大きな助けになった。

本書は、『ダヴィンチ・コード』より前の作だそうだけれど、どちらかというと、本書の方がより面白く仕上がっていると思った。
すでに映画も公開されている。
『ダヴィンチ・コード』の映画は、膨大な内容の原作をかなり省略して時間内におさめていて、うまくまとめていたが、原作の密度の高い面白さを縮小してしまっている感じは否めなかった。
本書の映画化はどうであろうか。
* 10:13 * comments(0) * trackbacks(0) *
「白夜行」
評価:
東野 圭吾
集英社
¥ 1,050
(2002-05)

JUGEMテーマ:ミステリ
 
こういった長篇ミステリーにありがちな、饒舌に書き過ぎているところもなく、辻褄に大きな破綻もなく、おもしろく読み終えた。

雪穂と亮司の二人に内面を語らせなかったところも、効果的だったと思う。
二人の連帯感の理由と、重ねられる犯行の数々の因果関係にも、納得を覚える。

というわけで、読書をとても楽しめたけれど、読後、何も残らない。
驚くほど、さっぱりしている。
読んでいるあいだ楽しめる、という意味で、星四つの評価であるが、共感を覚える登場人物は誰一人としてなく、ほんとうに、読んでいるあいだしか楽しめない、本を閉じて思い巡らしたくなることの皆無な点で、星二つにさせていただきたい気持ちもある。
* 13:55 * comments(0) * trackbacks(0) *
「『芸能ビジネス』を創った男 ナベプロとその時代」
JUGEMテーマ:芸能

渡辺プロダクションという、1950年代から70年代、80年代はじめくらいまで、大勢の人気芸能人を抱えていた会社を創った渡辺晋という人のことを書いた本で、あれこれをざっとなぞってあるな、こんなものではなかったろうな、という感じも受けたが、筆者の厚意のあたたかいドキュメンタリだった。

戦後、ジャズバンドのベーシストとして生活の糧を得ていた渡辺氏が、それまでの芸能のあり方を根本から変えるべく、芸能プロダクションを設立し、どんなに苦しいときも、所属ミュージシャンたちに月給を払い、興行からヤクザを締め出し、ミュージシャンたちが長く利益を得られるよう、レコードの原盤権や印税制を打ち立てたりと、今では当たり前のことだが、すべて渡辺晋と渡辺プロの社員たちが考え実現したのだと、教えられた。

渡辺氏は、自社のノウハウを、他社に惜しげなく教えたそう。
自分の会社だけが儲かればいいのではなく、かたぎじゃない、とか、河原乞食、とか言われていた芸能全体の地位向上を望んでいたようだ。

渡辺プロの隆盛は、戦後の復興と高度経済成長抜きには考えられず、皇太子ご成婚による一般家庭へのテレビの普及で、テレビ時代がやってきたこととも切り離せない。

その後、「テレビに出ない」ことを信条に掲げた歌手たちが台頭してきて、「ニューミュージック」と呼ばれた彼らが地道なライブ活動のみでレコードセールス一位を獲得するようになり、音楽のジャンルはますます多様化し、レコード大賞や紅白歌合戦というわかりやすい価値基準が崩れてしまう時代がやって来る。

たった五十年で、随分変ったな、という感じを、さすがに受ける(社会が根底から変化したのではなく、すべて世相という表層の光景だが)。
特に、時代があとになるにつれ、IT関連の発達によるメディアの多様性は、めまぐるしい。
けれど、かつてのような、「もっとよくなる」という感覚を持ちにくい今日、「豊かさ」とは何か、という疑問を人々が抱いた70年代半ばより、問いはずっと重たくなっていると思う。
大きな希望を持ちにくくなった今日、人々は、身近で、ささやかな幸福に眼を向けようとしているのではないか、と、小説、映画、ドラマなど、表現されるものを見て思う。

* 12:07 * comments(0) * trackbacks(0) *
「Scandinavian Modern」

評価:
Magnus Englund,Chrystina Schmidt
Ryland Peters & Small
¥ 1,953
(2007-04)

わたしの一等好きな、スカンジナビアン インテリアの写真。
表紙にも見えているが、ウェグナーやアアルト、ヤコブセンらの、やわらかな木の色の家具と、ときに鮮やかなテキスタイルたち。
たまらない。
おうちをこんな風にしたい。

「150 Best House Ideas」 「150 Best Apartment Ideas」 に比べると、ボリュームは少ないが、本が適当に薄いせいで、読みやすくはある。
わたしにとっては、垂涎の写真ばかりで、満足である。
* 13:58 * comments(0) * trackbacks(0) *
「オーダーメイドリビングキッチン―キッチンもインテリア」


キッチンの施工例が、13件紹介されている。
北欧製の椅子・食器・テキスタイルが多く、そもそも設計者が同じらしく、どれも似た印象を与えるが、この系統の好きなものには、たまらない写真ばかり。
が、よく見ると、それぞれにテイストが違う。
その違いを細かく見ていくのも楽しい。

わたしは家事労働が好きな方ではないので、「つい立ちたくなるキッチン」が理想である。
柔らかな木の色のダイニングセット、作業台に出しておいても目障りにならない、むしろ、キッチンを引き立ててくれるデザイン家電たち、機能に負けないフォルムを持つ鍋フライパン etc...。

キッチンには、こだわっていきたいなあ。
* 16:04 * comments(0) * trackbacks(1) *
「SUCCESS WORK STYLING―成功する仕事場づくり」
評価:
ヒジュン カスヤ
ラトルズ
¥ 2,520
(2006-04)


デザインに係わって仕事する15人のオフィスが紹介されている。
どのオフィスも、すっきり片付いていて、居心地よさそう。
気持ちよく仕事するためには、居心地のよい空間作りが、とても有効だと思う。
デザインに携わる人たちだけあって、どのインテリアにもこだわりが見られるのだが、とても自然に仕上がっている。

一番気に入ったのは、デザイナー・高橋正実さんの自宅兼事務所。
下町のペントハウスで、広い屋上バルコニーがあり、そこで楽しそうに笑っている高橋さん一家の上には、清々しい空が。
素敵。
国際デザインセンターに、「21世紀を担う世界の若手デザイナー31人」の一人に選ばれたほどの高橋さんの活躍に、パーカッショニストのご主人は、子育ての主夫を買って出たそう。
理想的。

掲載されているデザイナーたちの仕事場を見ていると、単にインテリアのよさだけでなく、働き方、ひいては、生き方がうかがえてくる。
* 15:02 * comments(0) * trackbacks(0) *
「150 Best Apartment Ideas」
評価:
---
Harper Design Intl
¥ 2,825
(2007-03)


分厚い。
表紙を除いても、4.5センチはある。重い。
が、そのぶん、写真がたっぷり。
掲載内容は、「150 Best House Ideas」より、こちらの方が断然現実味があり、我が家にも取り入れたいと思えるアイデアがいろいろ見られる。

選ばれている「Apartment Ideas」は、日本、スペイン、イギリス、オーストリア、イタリア、アメリカ、オーストラリアなど大都市のもの。
お国柄が違えば、当然、インテリアも違うものだが、これら大都市に建つアパートの部屋は、モダンにデザインされ、それぞれの国特有の何かは、あまり見ることができない。
それはつまり、建築デザインの先端の、統一化された傾向なのだろう。

アーバンな雰囲気倍増の、「Penthouses」の項が、わたしは好き。
国籍のわからないミニマルな部屋を一旦出て、屋上バルコニーに置いた椅子に坐り、ゆったり見下ろす街は、シドニーのスカイスクレーパーだったり、ロンドンの夜景だったり、オーストリアはグラーツの赤い屋根の海だったりする。

「150 Best House Ideas」と同じシリーズなだけあって、とても洗練された部屋ばかりだが、ソファのあるリビングの向こうにキッチン、というような、間取りの小ぢんまりとした感じが、国土の70%が森林で、家屋のウサギ小屋と呼ばれる国に生まれ育ったわたしを、ほっとさせてくれる。
* 16:13 * comments(0) * trackbacks(0) *
「150 Best House Ideas」


ソファにテーブル、キッチンにダイニングセット、食材まで写っていながら、生活感の徹底的に排除された、世界各地の住宅写真は、見る者を、別世界へ連れて行ってくれる。
現実に存在し、人が住んでいるのが、容易には信じられない、600ページにわたる「超現実」住宅の数々。

「Waterfront」の章にある、「4×4 house」は、大きな開口の真下に、砂浜と漣!
岸壁ではない。津波が来たら、ひとたまりもないだろう。
Locationは、なんと「Kobe, Japan」。
この写真を撮影したのは、阪神・淡路大震災の前だろうか、後だろうか・・・・・・。
海に面した地域に暮らしているわたしなどは、家を建てる際、津波の到達しなそうな土地を探したものだが、この本に掲載されている住宅の施主たちは、わたしのような小市民とは発想が違うようである。

「Countryside」の一軒目は、アリゾナのサボテンばかり生えている枯地に、ポツンと建つモダンな家。
ほんとにここで暮らしてるの?と写真に向かって問いかけたくなる。

ハワイの、見渡す限り溶岩、というところにも、モダンな家が。
窓から見える風景は、見事にチャコールグレーに沈んでいる。
圧巻。
そして、痛そう。

この本の住宅写真の数々は、洋服でいえば、オートクチュールのショーだと思う。
現実離れしているけれど、見るものを興奮させ、インスピレーションを与えてやまない。
一冊の中に、究極の住宅(その立地も含め)とでもいうべき、気鋭の建築デザインが、凝縮されている。


真っ白い壁とコンクリートの床、大理石のキッチンワークトップ、六メートルくらいありそうな高い天井の家を見ていたら、その硬質な空間に自分をイメージし、心細くなってしまい、自分は小市民であるなあ、と実感させらた。
* 17:15 * comments(0) * trackbacks(0) *
「テレンス・コンランの狭小空間」
評価:
テレンス・コンラン
エクスナレッジ
¥ 5,250
(2007-02)


PART 1は、「小さなスペースを活かしきる」。
PART 2は、「小さな住まい向きの仕様」。

その下に、

「デザインとプランニング」
「内装と家具・備品」
「スペースの拡張」
「エリアごとの工夫」
「ケーススタディ」

と章に分かれてい、更にその下に、具体的な事項にまとめて細かくカテゴライズされている。

ヨーロッパや日本の建築実例からなる豊富な写真は、すっきりミニマルなもの、心地よい生活感の出ているものなどあり、どれも美しい。
写真を見ているだけでも飽きないが、文章を是非読みたいところ。
コンラン卿の、わかりやすく、おしつけがましくない解説には、住むこと・暮らすことへの、彼の思想が自然にあらわれている。
ひとつひとつの写真についている註もおろそかにせず眼を通せば、どれもが快適な暮らしのヒントであることがわかる。

「狭小」といわれると、我々日本人は、「9坪ハウス」のようなものを思い描くが、この本で語られている「狭小」は、日本人のいう「ワンルーム」くらいのものから、二三十坪くらいの建物であろうと、写真から察せられる。
日本人が、例えば一人暮らしするとき、六畳くらいのワンルームに住むのは当たり前だし、二三十坪あれば、家族が住める立派な家だ。
つまり、「狭小空間」というけれど、日本人には「普通に参考になるインテリア」、となる。

そして、この本を読んでわかることは、どこの国でも、人口密度の高い都市の中心に近い立地となると、一軒あたりの延床面積の小さくなる事実である。
その代わり、利便性は上がる。
何を優先させるかは人それぞれで、要は、住み方・暮らし方が大事なのだなあと思う。
* 16:18 * comments(0) * trackbacks(0) *
「ベランダの庭づくり―心地いい空間に仕立てる」
JUGEMテーマ:ガーデニング


基本ベランダだが、屋上ガーデニングの実例も掲載されている。

ややカントリーテイストのある『ナチュラルガーデニング』『ナチュラルガーデンが好き。―love natural garden』に比べると、テイストの統一性がないせいか、実例写真に魅力を感じにくい。

好みは人それぞれだから、わたしがとやかく言えることではないけれど、植物をただ置くだけでは、なんとなしつまらないベランダ・庭になってしまう。
感じよく洗練されたベランダ・庭にするには、結構難しいものだなあ、と思う。
* 19:52 * comments(0) * trackbacks(0) *
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