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「ライフ・オブ・ブライアン」
JUGEMテーマ:映画
 
昨年、やっと日本版DVDが発売されたのに、なんとなく買わずにいたが、アマゾンで新品が20%割引だったので、とうとう入手した。

前作の「ホーリー・グレイル」よりはまとまっているし、美術も豪華で、「ホーリー・グレイル」よりは映画らしく仕上がっているものの、映画としてみるなら、決してよくできているとはいえない。
一本の大きな筋が大きなうねりを見せながらクライマックスを迎える、といったメジャー映画的な展開はない、という意味では。

しかし、パイソンズの仕事は、そんなことでははかれない。
ネタの繋ぎ合わせで映画が前に進んで行くとき、それらはあっちに出っ張り、こっちに出っ張り、そっちは陥没していたり、と、いびつな様相を呈するのだが、そのデコボコが、それぞれ光っている。

物議を醸した映画だということは知っているが、どうしてそれほど攻撃されたのか、不思議である。
イエス・キリストを冒涜しているとは思わない。
特典映像で、「パイソンズは、『イエスでなく、ブライアンだ』と言い張っているが、それはトリックで、ブライアンはイエスとして描かれている」と、パイソンズメンバーとテレビ対談したビショップが責めていたが、だったらどうだというのだろう。
(教会のお偉いさんはカンカンに怒り、ジョンは彼らを言い負かす自信たっぷりにやりとりを楽しみ、心優しきマイケルのいたく傷ついたこの対談を、早速パロディにして笑い飛ばしたローワン・アトキンソンの天晴れな映像が、ほんの少し特典DVDに収録されている。できれば全編見たかった。)
映画は、ブライアンを冒涜してもいない。
映画が批評したのは、深く考えることをせず、自分の意見を持たない多くの人たちである。
そして、いくつものキリスト教関連の団体が抗議・非難したのは、この映画が、宗教の名の下に、私腹を肥やし、利権を振り回す集団を、刺し貫いていることを感じたからかも知れない。

パイソンズは、「ほんとうのこと」を言ってくれる。
ときに、それは命がけのこともあるだろう。
勇気の要ることである。
かくありたい、と思う。
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