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「パフューム ある人殺しの物語」
JUGEMテーマ:映画


冒頭、18世紀のパリの市場の、汚物をこれでもかと見せられる。
魚の内臓、なんだかわからない腐ったもの、それらにたかる蛆。
映画が、臭いを映像で表現するという、難しいことに挑戦しているのはわかるが、腐臭の立ち上る映像の連続は、不快。
その印象は、映画の最後まで、増しはしても、軽減することはなかった。

市場の汚物の溜まりの中に、赤子を産み落とす女。
女は、産んですぐに立ち上がり、青い顔しながらも、しらばっくれようとする。
逞しすぎる。

産み落とされた男の赤子は、驚異的な嗅覚を持っていた。

下層の暮らしの中で成長した彼、グルヌイユは、ある日、街で嗅いだ果物売りの若い女性の芳香の虜となり、後をつけ、こっそり近づき、鼻を寄せる。
これがなんとも、気持ち悪い。
そして、夜遅く、果物の処理をしている女性が、真後ろでクンクンしているグルヌイユになかなか気づかないのは、変な気がした。
下層の暮らしをしているグルヌイユは、常に垢まみれで、体臭がきつかろうに。

犬並みの嗅覚を持つグルヌイユが、自分の垢臭さに無頓着なのが、不自然だった。
西洋では、きつい体臭を紛らわすために、香水が発達したのであろうことを思い、「香水で紛らわす前に、入浴し、服を洗濯すればいいのに」と思ってしまうのは、日本人的感覚か。

自分に気づいて悲鳴を上げた女性の口を押さえ、グルヌイユは、女性を窒息死させてしまう。
なんて呆気ない死。
グルヌイユは、女性の服を脱がし、存分に素肌の香りを味わう。
垢まみれのグルヌイユに鼻をこすりつけられる女性の死体が、厭な顔をしているように見えた。

グルヌイユが、その芳香を保存するため、ためらいなく女性を次々と殺していくことに、共感を覚えなかった。
生まれ持った能力を、自分の欲望を満たすためだけに使役する彼が、憎くさえあった。
逮捕され、処刑台に立たされた彼が、女性を犠牲にして作り上げた香水の力で、まんまと逃げおおせてしまうファンタジックなエンディングも、納得がいかない。
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