<< August 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 「幻影師 アイゼンハイム」 | main | 「ヒトラーの贋札」 >>
「天使と悪魔」
評価:
---
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
¥ 740
(2011-02-23)

 JUGEMテーマ:映画

原作があまりにおもしろかったので、少し期待して観たが、残念な仕上がりだった。

まず、画面が語りかけてこない。
ヴァチカンとローマを舞台にするなら、いくらでもただ事でない「感じ」を醸すことができそうなのに、平べったい映像になってしまっていて、がっかり。
また、世界中からヴァチカンに聖職者の集まるコンクラーベのときに、反物質という巨大エネルギーの暴発の起こるかもしれない恐るべき事態なのに、緊迫感が薄すぎる。
原作の途方も無いおもしろさを二三時間の映画にするのは、難しいだろうが、うまい省略をきかせれば、もう少しマシになっただろうに。
せっかくの原作を、もったいないなあ、と思った。

ロバート・ラングドン教授がトム・ハンクスなのも、「ダ・ヴィンチ・コード」のときから合っていない気がして仕方なかった。
もっと若く、繊細な感じの、たとえばエドワード・ノートンのような俳優ならなあ、と思ってしまう。
カメルレンゴ役も、せめて二十代の俳優にやってほしかった。
カメルレンゴには、亡くなった教皇の「告白」を聞き、取り乱してしまうほどの「若さ」が必要だから。
ユアン・マクレガーが二十代のときだったら、文句ないのに。

と思って観ていたら、教皇とカメルレンゴの関係の部分が、原作とは違っていた。
他にも、セルンの責任者、コーラーが出て来ない。
原作と大きく異なるこの二点は、映画化にあたり、アンタッチャブルだったのかも知れないと思った。
西洋における宗教と科学の対立の歴史を背景にした『天使と悪魔』は、カメルレンゴの慕う教皇の過去と、半身不随のコーラーの人生が描かれていたからこそ、深みがあったのだけれど。
政治的に肥大した「キリスト教」と、個人の内にある「信仰」、そして「科学」という事実の三つ巴は、今尚、西洋社会に大きな疑問を投げかけうる題材だと思う。
だからダン・ブラウンはおもしろい。

『天使と悪魔』を堪能するには、小説を読むしかなさそうだ。
* 19:26 * comments(0) * trackbacks(0) *
スポンサーサイト
* 19:26 * - * - *
 コメント
 コメントする









 この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
 トラックバック