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「それでもボクはやってない」
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食い入るように観た。

その後、たてつづけに、痴漢冤罪の被害に遭った・遭っている男性について、テレビのニュースで特集があった。

ひとつは、いろんな番組で大きく取り上げられた、男子大学生が、女性と共謀し、電車内で痴漢事件をでっちあげ、示談金をせしめようとした、新手の美人局めいた事件。
この事件は、被害を訴えた女性が自首したことにより、痴漢の犯人として警察に拘束された男性の無実が、幸運にも証明された。

もうひとつは、草の根報道で同時間帯他番組との差別化を見せているテレビ朝日の「スーパーモーニング」。
電車内で痴漢した罪で訴えられている男性の件を取材していた。
男性は、一種の膠原病で、手指が満足に動かない。
が、私人逮捕され、ひどく曖昧な証言ばかりなのに、一審、二審と有罪判決が出た。

満員電車の中で、痴漢に間違われないため、つり革につかまるなどして両手を上に挙げる男性がいるが、電車を降りたところで「あなた痴漢したでしょ」とつかまってしまえば、意味がない。
両手を挙げていたと主張しても、それを証明してくれる目撃者がいなければ、つかまったが最後、犯人にされてしまう。

映画の主人公も、実際の痴漢冤罪事件の被害者と同じように、駅長室へ行ってしまっている。
「やってないのだから」という自信による行動かも知れないが、交通事故の検証で現場保存が物をいうように、痴漢冤罪の場合も、まず、現場で話すべきだろう。
その方が、目撃者を見つけやすいだろうし。

自分はやっていないのだから、信じてもらえるはず、証明できるはず、とは、甘い考えだと、映画を観てわかる。
わたしは、終始映画の主人公になったつもりで、または、彼を支援する家族友人弁護士になったつもりで、映画を観ていた。
徳島ラジオ商事件、狭山事件、松本サリン事件、ごく最近では、志布志事件など、多々存在する冤罪または冤罪の疑いのある事件を見聞きする度、「自分が冤罪被害者になったらどうするだろう」と、まず考える。

真犯人の現れたことにより、婦女暴行の罪で既に二年服役した男性の無実の証明されたことが、昨年あった。
記者会見での彼の言葉、「明日はわが身だ」を、どれほどの人が厳しく受け止めただろう。

「裁判員制度が近々はじまるから裁判について関心が高まっている」では、生ぬるい。
裁判員に選ばれることと、冤罪被害者になることと、同等に近い確率で、自らの上に起こると考えておくべきではないだろうか。

「痴漢冤罪」という身近な題材で、周防監督は、深刻かつ恐ろしい社会問題を世に問うた。
大きな仕事である。
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