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「絶対の愛」
評価:
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Happinet(SB)(D)
¥ 3,231
(2007-11-22)

JUGEMテーマ:映画
 
キム・ギドクは、以前、「悪い男」を見たことがある。
観客にヒリヒリとした痛みを感じさせる作り手だな、と思った。
また、凄惨なはずの話なのに、見終えて不思議に魅力的な映画だった。

「絶対の愛」も、美しさ、新鮮さを求めているであろう男をつなぎとめるため、整形して再び男の前に現れてみせるという、精神的にも肉体的にも痛い話だった。

男への女の愛は歪んでいる。
その歪みのキツさを、ストーカーまがいの女の行動で、これでもかと見せる。
見ていて気持ちのいい映画ではないけれど、自分を認めてやることのできない人間の弱さをはっきりと描いていて、考えさせられる。
美容整形で美しくなったあと、精神面から自己崩壊してゆくくだりも、痛ましい。

この映画、安易に美容整形を行うらしい自国への警告のつもりもあるのだろうか。

* 17:00 * comments(0) * trackbacks(0) *
「ヴィーナス」
評価:
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ワーナー・ホーム・ビデオ
¥ 3,600
(2008-05-08)

JUGEMテーマ:映画

おじいさんたちが、互いの薬を見せ合い、交換し合ったり(危険!)する、冒頭の喫茶店のシーンから、眼を引く、すばらしい映像。
光の入り方に充分に気を配った画面は、月並みな言い方をすると、フェルメールの絵画のよう。
一人暮らしの老人のわび住まいの、落ち着いた水色の壁紙や無垢木のやわらかさの、美しいこと。
ピーター・オトゥールの演じるモーリスの入院する病院までもが、素敵な色づかいのインテリアに見える。
光と陰の配分の妙が、やわらかく落ち着いた、それでいて心躍る映像を作り出しているのだろう。

そこへ現れたのが、モーリスの友人、イアンの姪の娘。
田舎から出てきたジェシーは、真っ黒なアイラインを太くくっきり引き、腹出しルックで、いつも何か食べている。
ジェシーの食べるスナック菓子や、ガサガサうるさいその袋は、陰に射し込む繊細な光の世界で、明らかに異質。
老人たちの世界に、ジェシーは、あまりに異分子だった。
ジェシーは、最期まで、モーリスが有名な俳優であることを知らない。
「『おしゃれ泥棒』を知らないの?!」
わたしは、心の中で、ジェシーに向かい、何度も叫んだ。
「『ラ・マンチャの男』を観なさいよ」
とも。
いやいや、モーリスは、ピーター・オトゥールではない。

若い頃には浮名を流した色男だったらしいモーリスが、洗練のかけらもないジェシーに惹かれるのは、彼女が若くてピチピチしているからなのか。
死を前に、屈辱的な愛に甘んじるモーリスの心理は、詳しく説明されない分、考えさせられる。
老いという現実を見つめて、厳しくもあたたかい映画だった。
* 17:59 * comments(0) * trackbacks(0) *
「椿三十郎」
評価:
黒澤明,山本周五郎,菊島隆三,小国英雄
東宝ビデオ
¥ 3,603
(2009-10-23)

 JUGEMテーマ:映画

冒頭からコミカルな感じが出ていて、それでいて、物の見えている人間ゆえの生の厳しさが、ピリリとした辛味を添えていた。

登場するなり、「只者ではない」眼光の仲代達矢。
おっとり鷹揚でありながら、本質を見極めている家老の奥方(入江たか子)。
まんまる顔の善人、小林桂樹。
最後になってやっと顔を見せる家老は、どんな人かと思えば、「乗った人より馬は丸顔」の伊藤雄之助。
そして、ドジな若侍たち。
主役の椿三十郎がかすんでしまいそうなくらい、一人ひとりが際立っている。
個性を生かした演出の賜物なのだろう。
* 12:56 * comments(0) * trackbacks(0) *
「黒い画集 あるサラリーマンの証言」
評価:
松本清張,橋本忍
東宝ビデオ
¥ 3,400
(2009-10-23)

 JUGEMテーマ:映画

松本清張原作らしい、社会派サスペンスだった。

清張原作ものから聴こえてくるのは、小さいものが大きいものの犠牲になる社会の、底辺からの叫びである。
そして、『或る小倉日記伝』のような、救いようのない現実。
「黒い画集 あるサラリーマンの証言」でも、思うようにいかない現実というものが
えがかれていたと思う。

社会における力の乏しい人々の側に立ちつづけ、権力と対峙した清張。
それだけでなく、状況により、人の心に差し込む弱さも厳しい眼で見逃さなかった清張。
かような作家を、大切にしたい。

清張生誕百年で、このところ、テレビドラマや映画やら、もりだくさんで、結構。
* 17:50 * comments(0) * trackbacks(0) *
「ハッピーフィート」
評価:
---
ワーナー・ホーム・ビデオ
¥ 1,311
(2009-07-08)

 JUGEMテーマ:映画

求愛のため、歌の不可欠な皇帝ペンギンの群れの中に、歌の下手な、だけれど、タップダンスが得意で、踊ることの大好きな、一風変わった雛が生まれる。
短い足で巧みなステップを踏む彼、マンブルは、異端児扱いされ、遂に群れを追われる。

映画の情報番組では、この辺りまでの映像しか紹介されていなかったと思う。
けれど、後半、映画は、南極がもはや動物にとってパラダイスではないことを描きはじめる。

ペンギンのかわいらしさを見るだけの映画ではない。
尚且つ。
普通でないと奇異な視線を浴びるマンブル、群れを追われるマンブル、自分たちの暮らす地に起こっている変化の原因を突き止めるため氷河の頂から海へ飛び込むマンブル、どれもが、わたしを泣かせた。
水族館で観覧者の視線を浴びるマンブルが、次第に自分を見失い、呆然と佇む姿も。
その姿は、かつてわたしの訪れた水族館に、しばしば見られた光景と重なった。
端の方でじっとしているあのペンギンは、何を考えているのだろう、と想ったものだったが・・・・・・。

かわいらしいペンギンたちが、聞き覚えのあるアメリカのヒット曲を、丸い体を揺らしながら素晴らしい歌唱力で合唱する3Dアニメは、見ごたえがあった。
ミュージカルの要素と、3Dアニメ製作の技術の融合は、これぞアメリカ、という感じ。

* 14:54 * comments(0) * trackbacks(0) *
「スコルピオンの恋まじない」
評価:
ウディ・アレン
ポニーキャニオン
¥ 4,649
(2006-07-19)

 JUGEMテーマ:映画

ウディ・アレンが好きなので観たが、これは、「ハンナとその姉妹」系統の映画ではない。
「カイロの紫のバラ」とも違う。
軽く楽しめるロマンチック・コメディ、といったところで、時間を割いてまで観るほどのものでもないかなあ、と思った。
* 17:21 * comments(0) * trackbacks(0) *
「天使と悪魔」
評価:
ダン ブラウン
角川書店
¥ 4,935
(2006-12)

JUGEMテーマ:ミステリ
 
期待どおりの面白さ。
緊迫する場面の連続に、思わず「フギャ」と声を上げながら読んだ。

コンクラーベの最中に、バチカンに「反物質」がしかけられるという事件は、同じ作者の『ダヴィンチ・コード』より大それていて、ドキドキする。
科学と宗教の対立のものものしさは、綿密な細部の描写によってリアリティがある。

博物館で類人猿を眼にし、「こんな下等なものが人類の祖先だなんて、絶対に信じない」と声を上げているカソリックの若い白人女性を、以前見たことがある。
ほかにも、西欧では、学校の授業で「ダーウィンの進化論」の段になると、教室に緊張が走ると聞いた。
「エミリー・ローズ」は、精神的な病と思われる少女を、エクソシズムで回復させようとし、結局少女を助けることのできなかった神父が、法廷で裁かれた、実際のケースの映画化だった。
小説に出てくる事情は、キリスト教社会的であるけれど、問題を理解することは難しくない。

本書は、神とは何か、神を信じるとは何か、信仰とは何かを読むものに考えさせながら、宗教による弾圧に抵抗してきた科学者たちの軌跡を、とびきりの面白さで謎解いてゆく。
「ヴィジュアル愛蔵版」には、科学研究施設やローマの礼拝堂、バチカンの大聖堂など、舞台となる場所や物事のカラー写真が場面場面に豊富に差し込まれてい、ラングドン教授が今どのような状況に面しているか、想像しやすかった。
実在の物事が題材になっているので、ローマにもバチカンにも行ったことのないわたしには、ヴィジュアルは読む上で大きな助けになった。

本書は、『ダヴィンチ・コード』より前の作だそうだけれど、どちらかというと、本書の方がより面白く仕上がっていると思った。
すでに映画も公開されている。
『ダヴィンチ・コード』の映画は、膨大な内容の原作をかなり省略して時間内におさめていて、うまくまとめていたが、原作の密度の高い面白さを縮小してしまっている感じは否めなかった。
本書の映画化はどうであろうか。
* 10:13 * comments(0) * trackbacks(0) *
「アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生」
 JUGEMテーマ:映画

 「ローリングストーン誌」のカメラマンを、創刊当初からつとめていたアニー・リーボヴィッツは、ローリング・ストーンズ、パティ・スミス、ジョンとヨーコ、などなど、有名ミュージシャンのほとんどを撮影したことがあるそうだ。

その後彼女は、「ヴァニティフェア」という雑誌のために写真を撮ることになる。

あまたの俳優やミュージシャン、スポーツ選手、富豪たちを、アニーは独特のアイデアで撮影する。

アニーの写真に、世界中が注意を向けるようになったきっかけは、デミ・ムーアの、センセーショナルすぎる妊婦ヌードだった。

 

「アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生」と題されているドキュメンタリー映画は、彼女の撮影する有名人たちの、「セレブリティ的」横顔に焦点をあてているように思える。

彼らには彼らの芸術や仕事の紆余曲折があるだろうに、光と影の「光」の部分ばかりを切り取る、華やかな広告写真のカメラマンとしてのアニーの存在が強調されている感じがした。

いったい、製作者は、この映画でアニーのどういう部分を見せたかったのだろう。

製作者は、アニーにとって好意的なのか、それとも、一種の批評を込めているのか、曖昧。

ひょっとすると、この映画の主旨は、「セレブを撮影するようになって、妹は変わった」というアニーの姉の言葉に象徴されているのかも知れない。

* 10:06 * comments(0) * trackbacks(0) *
「ボーン・アルティメイタム」
評価:
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ジェネオン エンタテインメント
¥ 2,992
(2008-03-07)

JUGEMテーマ:映画
 
とにかくおもしろい。
「ボーン・アイデンティティ」「ボーン・スプレマシー」に劣らないどころか、ますますグレードアップしているのではないか、と、眼を瞠る。
前々作、前作の展開を引き継ぎながら、ボーンは自身の過去へと前進してゆく。

家々の屋根を伝って走り、ときに窓をぶち破り平和な家庭の食卓に侵入しても走りつづける街中での追跡シーンは、ジャッキー・チェン映画を彷彿とさせる。
カーチェイスも、かつてジャッキーが三菱車でくりひろげた、アイデア溢れるアクションを継承していると見えた。

エンディングで、ボーンの生死が不明なのは、次回作の可能性を示唆しているのかなあ、と、期待した。
つづきが観たい。
* 18:38 * comments(0) * trackbacks(1) *
「ボーン・スプレマシー」
 JUGEMテーマ:映画

とにかく展開が速く、飽きない。
ボーンの常に先を読んでの行動には、眼を瞠るばかり。
なんて優秀なんだ、ボーン。
ほれぼれする。

アクション度は、前作「ボーン・アイデンティティー」よりグレード・アップしている気がする。
失った記憶と、工作員としての自身の忌まわしい過去に苛まれる、ボーンの人間的な側面にはあまり拘泥せず、観ている者に息つかせず、映画はどんどん進む。
楽しませてくれること請け合い。
* 17:20 * comments(0) * trackbacks(0) *
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